開催日:令和 5年 2月16日
会議名:令和 5年第1回定例会(第1日 2月16日)

○27番(関けんいち議員)  私は、公明党目黒区議団を代表し、今後の区政運営に関わる点について代表質問をさせていただきます。
目黒区の姿勢について、公明党が目指す社会の在り方と方向性が合っているかを主な確認事項とし、大きく5つの視点で質問いたします。
1点目は、物価高騰対策、2点目は、危惧される感染症への対応、3点目は、子育て支援について、4点目に、今日的社会課題について、最後、5点目に、生活スタイルの変化について伺います。明快なる御答弁をお願いいたします。
質問に入る前に、去る2月6日にトルコ南部のシリア国境近くで発生したトルコ・シリア地震では、15日の時点で死者が4万1,000人を超え、トルコでは地震による被害が過去最悪になり、今なお生存者の捜索が懸命に行われております。犠牲となられた皆様に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、大勢の被災に見舞われた方々の捜索が進むよう御祈念申し上げます。
それではまず、大きな質問の第1点目、物価高騰対策についてです。
昨年来、物価高騰が続いております。総務省統計局による昨年12月の価格変動が大きい生鮮食品を除く全国消費者物価指数が前年同月比で4%も上昇し、これは過去に遡ると、第2次オイルショックのときから数えて41年ぶりの高水準となり、区民生活を脅かしております。
今月1日付、NHKウェブニュースによると、2月の値上げ品目が5,463品目となり、昨年10月の6,500品目以上に次ぐ値上げラッシュとなりました。値上げの主な要因は原材料価格の高騰によるもので、食料品、日用品のほか、電気代、ガス代等、日々の暮らしに影響が出ていると消費者の皆様から直接の声をいただいております。
1月27日の参議院本会議で、物価上昇に負けない賃上げこそ真の物価高騰対策であり、低価格・低成長のサイクルから脱する鍵であり、断じて成し遂げなければならないと、公明党山口代表が代表質問で投げかけております。しかしながら、日本企業の99%は中小企業が占めており、賃上げは大きな課題で、特に生活に困窮する御家庭への負担軽減は喫緊の課題であります。そこで、以下質問いたします。
1、物価高騰対策として、東京都小池知事が次年度以降に向けて表明したチルドレンファースト社会の実現として、18歳以下の子どもに所得制限なしの一括6万円給付に目黒区が独自に1万円を加算し、次年度限定の予算案を組みましたが、引き続き物価高騰が続いた場合の今後の展開について伺います。
2、プレミアム付デジタル商品券の紙による発行の併用について、どのように考えているのか伺います。
続きまして、大きな質問の第2点目、危惧される感染症への対応について伺います。
新型コロナウイルス感染症が2020年1月に国内初の症例が出てから、はや3年が経過しました。当初はここまで長引くことを想定できませんでしたが、学校の休校、イベントの自粛、緊急事態宣言の発出、手洗い・うがい・マスクの励行、3密回避等々、感染者の増加で医療の逼迫をできる限り避けるよう、感染拡大の防止に取り組み、そして東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の1年延期など、コロナから身を守るための生活行動様式の変化や社会経済活動に世界中で多大な影響が出ました。
2021年に世界で開発されたワクチンが日本に輸入され、優先順位を立てながら順次接種が行われ、ウイルスも変異を続けながら、重症化が懸念されるデルタ株であったり、感染力が強いオミクロン株であったり、ウィズコロナの状況を続けながら今に至っております。
また、昨今、帯状疱疹にかかる方が私の身近に大変多くいらっしゃり、すごく痛がっています。後遺症で悩んでいる方もいて、日常の仕事にも影響が及んでいるようで、心配されます。そこで、以下質問いたします。
1、3年ぶりに行動制限がなかった今回の年末年始で、いよいよ経済活動の再開が期待されますが、累計死亡者数が昨年12月2日に5万人を超えてから僅か1か月で1万人以上も増加しました。今年1月14日の全国死亡者数が503人と、これまでの最高を記録しています。コロナ疲れもあり、マスクを外したい心情に駆られ、質問通告提出後に、政府は3月13日より、屋内・屋外を問わず、個人の判断に委ねる方針とされましたが、コロナとの向き合い方にいま一度、効果的な対策を講じることについて、所見を伺います。
2、帯状疱疹については、国立感染症研究所の調査では、日本人成人の90%以上が帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜み、80歳までに3人に1人が罹患すると言われております。発症すると刺すような痛みで眠れないほど激しい場合もあるとのことですが、目黒区の次年度予算案で、50歳以上の方に予防ワクチンの助成制度が案として計上されました。それはありがたいのですが、コロナ禍の影響でストレスが高じ、30代、40代の方も発症している事例を耳にしています。現状に照らした対象者の在り方について、所見を伺います。
続きまして、大きな質問の第3点目、子育て支援について伺います。
想定を上回るスピードで進んでいる少子化への対応は、喫緊の課題だと受け止めています。1975年の団塊世代ジュニアの誕生以降、長らく100万人台が続いた出生数も、2016年にはとうとう100万人を下回るほど少子化が進み、昨年は80万人を割り込む予想となっています。少子高齢社会において、あくまで支え手となる現役世代の人が大事だと考えます。
そこで、子どもを産み育てやすい環境に力を入れることが、この国を持続可能性ある社会としていくために必要であり、子育て支援の充実が最も大事な対策であると公明党は考えております。
これまでも児童手当の実現から始まり、小・中学校教科書無償配付、医療費の無償化については所得制限なしで、これまでの中学3年生から、来年度からは高校生年代までを対象に予算案に計上されています。妊婦健康診査や里帰り健診、私立高校の授業料無償化、高等教育の無利子奨学金や給付型奨学金、授業料減免の大幅拡充など。そして幼児教育・保育の無償化を進め、次年度はゼロ歳から2歳までの第2子保育園児の保育料無償化を東京都は次年度予算案に掲げております。
また、環境整備として、子育てに優しい社会を目指し、妊娠初期の方が妊婦さんだと分かるよう、マタニティマークやベビーカーマークなど、周囲の人にお知らせをして、電車の席を譲りやすくできるようにしたり、学校教室のエアコン配備や、地域避難所となる小・中学校体育館へのエアコン設置も進め、熱中症対策に効果を発揮しています。
スクールカウンセラーの導入は、1993年に我が党の先輩議員が不登校やいじめなどの問題について、早期発見や心のケア等に取り組む専門家の設置を求めたところから始まっています。こうした対策を進めても、まだまだ子育て支援が行き届いておらず、さらなる充実を求め、以下質問いたします。
1、公明党は昨年11月に子育て応援トータルプランを発表し、ゼロ歳~2歳児の支援が急務と俯瞰して捉え、行政サービスの関わりが弱い点を指摘しています。保育所に預けることが子に向ける愛情を希薄にしてしまうのではないかと当初は思っておりましたが、適切な保育環境で生育することで、虐待リスクを低減させ、将来の自殺リスクの低下につながるなど、乳児期の集団生活の利点を上げる調査結果もありました。そこで、今は親の就労を保育所入所の条件としていますが、この条件の緩和について、所見を伺います。
2、日本を持続可能性ある社会にしていくために、人口構成のバランスを望ましい姿にしていくことが重要で、少子高齢化の重要な構成要素である少子化対策に本腰を入れて、子どもを産み育てやすい環境にしていくことを目指しています。産前産後の伴走型支援の確立を目指していきたいですが、妊産婦の方との関わり方は非常にデリケートであると考えますが、どのようなアプローチをかけていくのか、所見を伺います。
続きまして、大きな質問の第4点目、今日的社会課題についてです。
最近のニュースで特に印象に残っているのは、様々な現場で起こっている問題です。
まずは保育士の問題です。ある保育士さんより、現場で教えるべき立場が上の保育士が、新人、あるいは年の若い保育士をしごいている状況を目の当たりにしているという話を聞きました。周りは何か言えば自分に降りかかることを恐れ、何も言えないようです。園長先生も忙し過ぎて見回る余裕もなく、改善が見られないまま、状況が野放しにされ、新人、あるいは若手保育士のメンタルに影響が出ているとのことでした。
これは一部の方の話なので、全ての保育現場でそうだとは言えないですが、こうした状況のままでは、若い保育士は休職に追い込まれてしまい、乳児・幼児にも影響が出てくるのではないか。また、そうした保育士に預けるのも心配されます。
次に、介護士の問題です。人手不足が深刻化していると聞いています。高齢者人口が増えれば、加齢により要介護の方は増えていきます。ただし、それを支える介護の担い手が低賃金で、かつ体を酷使する仕事では非常に厳しいというお話を以前から聞いておりますが、いまだ十分な報酬が得られず、苛酷な労働環境にあっては、人手不足ともなればサービス利用者への虐待があっても不思議ではないかもしれません。そうした状況にしっかり向き合い、改善していく視点で、以下質問いたします。
1、昨年暮れに保育士による幼児虐待がニュースで取り上げられていました。当然よくないことであり、罰せられてしかるべき問題ではありますが、そうしたことがなぜ起こるのか、その背景を振り返らなければ、こうした問題は後を絶たないのではないかと考えます。そこで、改善に向けた、働く人の声を集めて行動変容につなげていくことについて、所見を伺います。
2、介護現場においても、利用者に対して虐待をしていたことが報じられたケースもありました。介護現場で働いた経験のある人から、現場での出来事をさわりの部分で聞いたことがあります。それは、今まで素直に応じていた利用者さんが、ふとある瞬間から突然怒り出し、全く言うことを聞いてくれず、どうしようもない状態に陥ったことがあったとのことで、そういうことが日常続くと、働く人の心は病んでしまうだろうとのことでした。初めは熱意あふれて仕事をしたとしても、次第に心が折れてしまうほど苛酷な環境ではないのかということでした。心のケアを行い、支えていく環境が必要だと考えますが、所見を伺います。
最後、大きな質問の第5点目、生活スタイルの変化について伺います。
新型コロナウイルスが発生したときに、様々な生産活動は休止され、まちを歩くにも行動が制限され、エネルギーの利用も極端に抑えられた時期がありました。また、昨年来から続いている物価高や原油高の影響は、国民生活にこれまでの支出を我慢するよう求めているように感じられます。こうした状況は、区民に対して、節約を学ぶ千載一遇のチャンスではないかとも考えております。
地球温暖化による影響は、国民の意識をどう変えていくのか、大きな課題だと受け止めております。これまでのエネルギー消費を抑えていくために、今の段階から節約になじんでいく必要があると考えます。生活スタイルの見直しをする起点になっていくのではないでしょうか。
別の視点で、最近は、街並みの変化に合わせ、新しく建つアパートが昔のような、ある程度の広さを求めるというよりも、よりコストを抑え、いかに効率よく生活するかの視点で造られている部屋があるのにはびっくりしました。部屋は寝に帰る場所であり、そこでの生活スタイルは別の新たな問題を引き起こしてくるのではないかと感じ、以下質問いたします。
1、物価高騰により電気代やガス料金が値上がりしています。こうした状況を捉え、将来のカーボンニュートラルの目標達成に向け、節電意識を醸成させるきっかけをつくるべきではないでしょうか。電気使用量の見える化と日常の目標使用量との乖離を実感する取組を行うことについて、所見を伺います。
2、最近の新しいアパートは、若い人向けに3畳間のシャワー・トイレつきで、そこで調理は行わず、コンビニエンスストアでの弁当購入や宅配による調達で間に合わせるような合理的なスタイルのところがあります。若い人の生活スタイルを具現化したかのようですが、排出されるごみはプラスチック系の容器やペットボトルが多く、毎日積み重ねると、週1回のごみ出し周期にそぐわない量になると思います。よって、ごみを指定先の場所以外や通勤の動線上にある集積場に排出することも考えられ、実際に捨てている現場を目にすることもあります。こうした行動を分析し、ごみ回収の見直しを図ることについて、所見を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  関議員の5点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。
まず、第1点目、物価高騰対策についての第1問、物価高騰が続く場合の今後の展開についてでございますが、昨年4月26日、国におきまして、新型コロナウイルス感染症による影響が続く中、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するとともに、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」が決定されました。
これを受け、区といたしましても、5月9日に補正予算の見積り方針を策定をし、物価高騰の影響を受けている生活困窮者等生活者や事業者への支援など、早期に取り組む必要がある事業の経費について補正予算を編成し、区議会の議決をいただきました。
以降、現在に至るまで、区独自の対策であります、ひとり親家庭等への生活応援給付金や介護サービス事業所等原材料価格等高騰対策給付金などを含め、26項目、43億円の物価高騰対策に係る補正予算の編成や予備費の活用を行ってまいりました。
また、令和5年度当初予算案では、御指摘のとおり、18歳以下の方1人当たり1万円を給付いたします子育て応援給付金など5項目、10億円余の物価高騰対策に係る経費を計上いたしました。
物価高騰が続く場合の今後の展開でございますが、物価高騰の要因がウクライナ情勢や海外景気の動向など、グローバル化しており、予測が難しく、それらの動向を注視しなければならないと認識してございます。
今後も国や東京都の物価高騰対策の状況や財源を含めて俯瞰した上で、区として必要な対策を見極め、適時適切に対応していくことが重要と考えてございます。区民の皆様の生命・健康と暮らしを守るために、状況に応じて補正予算の編成や予備費の活用などにより柔軟に対応してまいりたいと存じます。
次に、第2問、プレミアム付デジタル商品券の紙による発行の併用についてでございますが、区ではプレミアム付商品券事業につきましては、コロナ対策として令和2年度から実施してまいりました。この間、コロナ禍を機に、これまで進んでこなかったデジタル化が急速に進むなど、社会が大きく変革していく中で、区においては、令和3年度にキャッシュレス決済によるポイント還元事業の実施、令和4年度、区商店街連合会による目黒区で初めてのデジタル商品券の販売とデジタル化に向けての取組を進めてまいりました。
そして、令和5年度、プレミアム付デジタルクーポン事業として当初予算に計上し、デジタル化への取組も3年目となりますことから、事業の実施主体となる区商店街連合会からの意見・要望も踏まえて、デジタルのみの販売とすることとしたものでございます。
したがいまして、紙商品券の販売は考えておりませんが、今年度のプレミアム付商品券事業の実施状況を踏まえながら、引き続きウィズコロナ時代への対応として、非接触による安全面とキャッシュレスとしての利便性を確保しつつ、商店街及び消費者のデジタル化のさらなる普及を進めてまいりたいと考えております。
具体的には、利用者や取扱い店舗から要望がありましたアプリ等の操作性を高めることをはじめ、1円単位での支払いを可能とするとともに、デジタルディバイド対応として、実施期間中にコールセンターを開設するほか、デジタルクーポン券購入に伴い、各地区での説明会の開催、利用者や商店主の取扱いを支援する出張スマホ相談の実施を考えております。これらの取組により、スマホ操作などに不安を抱く方々に対して、安心して紙商品券の御利用からデジタルクーポン利用へ移行できるよう進めてまいりたいと存じます。
実施に当たりましては、売手となる商店主、買手となる消費者ともに高齢化が進む中で、デジタル化から取り残されることのないよう、できる限り配慮して実施するよう、区商店街連合会とともに取組を進めてまいりたいと存じます。
次に、第2点目、危惧される感染症への対応の第1問、コロナとの向き合い方に、いま一度、効果的な対策を講じることについてでございますが、我が国は令和2年1月15日に厚生労働省が国内初の新型コロナ感染者を確認して以来、これまで8回の流行を繰り返しており、流行が繰り返されるたびに感染の規模は大きくなる傾向が続いております。これは新型コロナウイルスが世界的な流行拡大とともに変異を繰り返し、ウイルスの性質を変化させているからであります。
特にオミクロン株につきましては、潜伏期間の短縮や免疫逃避性の上昇などの変化が著しく、感染者数が急激に増加いたしました。昨年末からは、死亡者数においては昨年夏の感染拡大時の最高値を超える状況が続きました。
今回の感染拡大では、昨年夏よりも新規感染者のうち80歳代以上の高齢者の占める割合が増加する傾向が続いており、また、例年冬場は救急搬送が増加する時期ということもあり、引き続き注意が必要と考えられます。
一方で、諸外国と比べると、我が国の死亡者数は、人口比では低い部類に位置しており、様々な対策が一定程度は有効に機能していると思われます。新型コロナウイルス感染症が発生した当初は、ワクチンや治療薬もありませんでしたが、発生から1年もたたないうちに有効なワクチンや治療薬の開発が行われ、また、オミクロン株の特性等により重症化率・死亡率は低下してまいりました。
このような状況の変化に応じて、全数届出の見直しなど、制度の変更も行われてきたところですが、国は1月27日に、本年5月から新型コロナウイルス感染症を感染症法上の5類感染症に位置づけることを決定し、対応方針の大きな見直しを示しました。しかしながら、5類に移行することでウイルスの性質が変わるわけではないため、今後も新型コロナウイルス感染症と向き合うに当たっては、基本的な感染対策の上に、その時々の流行状況に応じた対応方針を取り入れていくことが大切であると考えます。特に基本的な手法である手洗い、場面に応じたマスクの着用、密を避けるといった古典的な手法をおろそかにしないことが重要であると考えます。
次に、第2問、帯状疱疹について、30代、40代の方も発症している現状への対応の在り方についてでございますが、帯状疱疹は子どもの頃に感染する水疱瘡のウイルスが神経節に潜伏し、加齢やストレス、過労などにより免疫の働きが低下するとウイルスが再び活性化し、神経節から神経に沿って痛みや発疹を引き起こす疾病です。
50代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると推定されており、発症した場合は、発疹などの皮膚の症状が治まった後も長期間にわたり激しい痛みが継続する合併症を引き起こすことがあります。
日本では、平成28年に水疱瘡の生ワクチンである乾燥弱毒生水痘ワクチンに50歳以上の者に対する帯状疱疹予防の効果が追加承認され、その後、平成30年に、いわゆる不活化ワクチンである乾燥組換え帯状疱疹ワクチンが薬事承認されました。いずれも50歳以上の方を対象として薬事承認されたことから、令和5年度予算案において、50歳以上の方の帯状疱疹ワクチン任意接種費用助成に関する経費を計上しているところでございます。
一方、近年、帯状疱疹は、子育て世代である20代~40代の発症も増えているとの報告もあり、50歳以上だけでなく、若い世代への注意喚起が重要であると認識しています。
現段階では、帯状疱疹ワクチンの接種対象ではない30代、40代の方の予防は、発症の引き金となるストレスや疲労をため込まないことや、免疫を低下させないよう、食事のバランスや十分な睡眠を取ることなど、日頃の健康管理が重要です。また、発症した場合は早期に医療機関を受診し、速やかに抗ウイルス薬などの適切な治療を受けることが肝腎です。
帯状疱疹の不活化ワクチンについては、発症リスクの高い18歳以上への接種対象拡大の承認申請が行われているという状況もございますので、動向を注視するとともに、帯状疱疹に関する予防の位置づけや早期治療の重要性など、機会を捉えて発信してまいりたいと存じます。
次に、第3点目、子育て支援についての第1問、保育所の入所要件の緩和についてでございますが、区市町村は、児童福祉法及び子ども・子育て支援法の定めにより、保護者の労働または疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児、その他の児童について保育を必要とする場合に、保育所において保育を行う義務がございます。
保育所の入所要件となる保育の必要性については、子ども・子育て支援法及び同法施行規則により、保護者の申請を受けた区市町村が客観的基準に基づき、保育の必要性を認定した上で、給付を支給する仕組みでございます。
お尋ねのありました就労の要件については、一月において48時間から64時間までの範囲で月を単位に区市町村で定める時間以上に労働することが要件となっておりますが、区では48時間以上とし、対象範囲を最大限確保する設定としていることから、保育所入所に係る就労の要件を緩和することは考えておりません。
なお、区では、保育所の利用に当たっては、法令に則した公平かつ適切な基準に基づいた利用調整を行うことで、保育を必要とする御家庭が安心して利用できるような仕組みづくりに努めてございまして、毎年度、利用調整基準等の見直しを行っております。
一方で、就労等の入所要件にかかわらず、保育園等を利用していない子どもや保護者が身近な保育園等で一時保育や子育て相談等のサービスを気軽に利用できることは、他児とともに過ごし、遊ぶ経験が子どもの健全な発達を促すだけでなく、育児疲れによる不安や負担を抱える保護者を継続的に支援する意味で、大変重要であると認識しております。
区といたしましては、保育園における一時保育、子育て支援事業やひろば事業等の子育て支援に係るサービスの拡充に加え、昨年12月にお示しをした総合的な子ども家庭支援体制の考え方に沿った適切な公民連携により、目黒区の全ての子どもの、子育て子育ちを支援する仕組みづくりを進めてまいります。
次に、第2問、伴走型支援の確立を目指した妊産婦へのアプローチについてでございますが、近年、核家族化が進み、地域のつながりが希薄化する中、子育てが孤立化し、妊産婦の負担感が大きくなっていると言われています。また、新型コロナウイルス感染症の流行が繰り返される中で、妊産婦は日常生活が制約をされ、自身のみならず、胎児や新生児の健康等についても、ふだん以上に強い不安を抱えている状況にあります。
このような中で、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して地域の身近なところで相談に応じ、様々なニーズに対して適切な時期に適切な支援を行うことが重要であると認識し、妊産婦への支援を行っております。
現在、区では、妊娠の届出時に助産師や保健師が妊婦面接を行い、妊娠の早い段階から妊婦の状況を把握し、継続的な支援を必要とする妊婦には個別の支援プランを作成するなど、安心して出産を迎えられるよう、相談体制を整えております。
出産後に出生通知票を提出していただいた御家庭には、助産師等が産婦・新生児訪問等を行い、母子の健康状態や家庭における生活の様子を把握して、必要に応じて利用可能なサービスの情報を提供するとともに、母親に寄り添った相談支援を行い、育児不安の軽減に努めております。
また、区では、産後ケア事業を区内医療機関や助産師等と連携して実施しており、特に身体的回復と心理的な安定の促進を必要とされる産婦に利用をお勧めしています。本事業では、母親自身がセルフケア能力を育み、親子の愛着形成を促し、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援しています。
区といたしましては、国が創設した出産・子育て応援交付金事業の伴走型相談支援を着実に実施するため、新規に妊娠8か月前後の妊婦の状況を把握する機会を設けるなど、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の一層の充実に努めてまいります。
次に、第4点目、今日的社会問題についての第1問、不適切保育への対応についてでございますが、厚生労働省は令和4年12月に、保育所等における虐待等に関する対応についてを各自治体に通知し、改めて各保育所等における虐待等に関する対応について、留意事項等を整理いたしました。
区では、本通知を全公私立園に対して周知するとともに、合同公私立園長会を通じて、国の考え方を踏まえた不適切保育を未然に防止するための研修資料を配付いたしました。その資料をもとに、全公私立認可園では研修を実施し、不適切保育を決して起こさないよう、職員一人一人の意識啓発に努めております。
また、公立園においては、全職員を対象として人権チェックリストを活用した研修も実施し、保育の行為、子どもへの声かけ等が不適切な行為につながっていないかなど、テーマごとのグループ討議を通じて、園全体での注意喚起を行ったところでございます。
加えて、私立園等に対して、子どもの人権を尊重した保育が各園で継続的に実践していけるよう、各園の巡回指導や指導検査の際に不適切保育の未然防止に対しての取組などを丁寧に聞き取りながら、各園の状況を踏まえた個別の助言指導を引き続き行ってまいります。
不適切保育の背景には、子どもの人権や人格尊重の観点に照らして、一人一人の子どもに対する関わり方を十分に理解されていないなどの保育士一人一人の認識の問題が指摘されています。また、一部の施設における職員体制の不足、コロナ禍における対面でのコミュニケーション不足に伴う孤独感やストレスの抱え込み等、適切でない保育を誘発する職場環境の問題も指摘されております。
このような背景を踏まえ、区は令和5年度においても、不適切保育を未然に防ぐことをテーマとした新たな公私立園合同研修の実施をはじめ、子どもの最善の利益を第一に考えた適切な保育が提供されるよう、積極的な支援に努めてまいります。
次に、第2問、介護現場の職員の心をケアしながら支えていく環境が必要だと考えられるが、いかがかについてでございますが、本区におきましては、区立特別養護老人ホームを指定管理者制度により運営しており、施設において職員が受けた入居者からの御意見や御要望に対しては、上司に必ず報告させるなど、組織として入居者に対応するものとして、職員個人に負担が偏らないような仕組みを構築しております。
しかしながら、施設の入居者は、認知機能の低下などにより、現場の職員や他の入居者に対して急に攻撃的になることもあると聞いております。そうした状況が続くことで、職員の心が疲弊してしまう心配があることは区としても認識しているところでございます。そのため、介護職員のためのスキルアップ研修として、毎月テーマを決めて研修を開催し、ストレスとうまく付き合う方法や認知症の方とコミュニケーションを取る方法などを学んでいただいています。
ほかにも、目黒区内介護事業所の職員のための、なんでも相談窓口を開設して、人間関係の悩みや、入居者や家族とのコミュニケーションの取り方などについて、元特別養護老人ホームの施設長であった相談員がメールや電話などで相談を受け付ける体制も整えております。これらの事業は目黒区社会福祉事業団に委託をして、区立や民間を問わず、区内の介護事業所に勤務する職員を対象に実施しております。
高齢化に伴う必要な介護従事者数の需要の増加や、少子化による労働人口の減少を背景として、介護業界の人手不足は深刻化しております。そうした厳しい職場環境における現場職員の心のケアの重要性につきましては、議員御指摘のとおりでございますので、本区といたしましては、今後とも職員が安心して生き生きと仕事ができるような職場環境づくりに向けて、様々な取組を行ってまいります。
次に、第5点目、生活スタイルの変化についての第1問、電気使用量の見える化と日常の目標使用量との乖離を実感する取組についてでございますが、本区は令和4年2月1日、2050年の二酸化炭素排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティの実現を目指すことを区長である私自ら表明をいたしました。2050年のゼロカーボンシティの実現を見据え、今年度改定を行う環境基本計画では、2030年度の区域内の二酸化炭素排出量を2013年(平成25年)度比で50%削減するという意欲的な目標を掲げています。
関議員から御指摘のありました電気使用量の見える化につきまして、省エネルギー設備設置費助成事業のメニューの一つであるHEMS(ヘムズ)に該当するものと存じます。HEMSとはホームエネルギーマネジメントシステムの略で、家庭用エネルギー管理システムと訳されますが、分電盤などにつなぐことで、家庭で使う電気などのエネルギーの使用状況をリアルタイムで見える化し、HEMSに接続した機器ごとに使用量を把握したり、あらかじめ設定した目標量に対して電気を使い過ぎているという警告を出すなどして、電気を節約するためのシステムでございます。
また、家電をネットワーク化することで、外出先から家電製品を操作することや、家電の使用量が一定に達したら自動で電源を切ることも可能です。さらに、家電の使用状況によって、家族が家に帰っているかどうかや留守中にガスの消し忘れがないかも分かります。令和5年度当初予算では、このHEMSも助成対象としている再生可能エネルギー及び省エネルギー設備設置費助成事業の予算額を2倍に増額計上し、区民の皆様の家庭における脱炭素化を支援してまいりたいと考えております。併せて、HEMSについて、その効果なども含め、分かりやすい周知啓発に努めてまいります。
次に、第2問、生活スタイルが変化している若い人の行動を分析し、ごみの回収頻度の見直しについて所見を伺う、についてでございますが、区ではプラスチック製の容器・包装やペットボトル、瓶、缶については、集積場において資源回収として週1回回収をし、回収した資源は選別等の処理をした後、リサイクルしております。加えて、本年7月から新たに製品プラスチックの資源回収を開始する予定でございます。
資源回収量につきましては、令和2年度に1割ほど増加いたしましたが、令和3年度は若干の減少となった状況でございます。資源回収量が一時的に増えた要因としては、コロナ禍の中、在宅勤務やテレワークなど自宅で過ごす時間が増えたためと考えております。
プラスチック製容器・包装やペットボトルの資源回収については、週1回の回収では足りず、回収頻度の見直しが必要ではないか、との御質問でございますが、ペットボトルなどの資源は自宅で1週間程度の保管が可能であること。そして、資源回収を燃やすごみと同様に週2回にすると、収集時間が大幅に増えるため、人員や車両にかかるコストが著しく億単位で増加いたします。このようなことから、現在のところ、資源回収を週2回にすることは難しいと考えております。
また、ごみ出しルールや通りすがりのポイ捨ての問題でございますが、集積所に関する問題がある場合は、清掃事務所に御相談いただければ、ごみ出しルールを守っていただくよう働きかけたり、通りすがりのポイ捨てなどの多い集積所であれば、町会・自治会や清掃協力員の方とも協力して、利用する方々と話し合いながら、集積所の分散や移動など、集積所の改善を行っているところです。
問題の継続する集積所では、対策を講じた後も必要に応じて職員がパトロールなどを行い、改善に努めております。区といたしましては、地域の皆様と連携協力して、集積所が適切に管理されるよう努めてまいります。
以上、お答えとさせていただきます。

○27番(関けんいち議員)  じゃ、何点か再質問いたします。
まず、物価高騰対策です。
プレミアム付デジタル商品券についてですけれども、さきの議員からもあったんですけれども、デジタルの扱いが分からない利用者が現段階では多いと思います。今まで現金で当たり前に物を買ってきた方が多いんですから、カードなどを敬遠する向きもあります。また、商店街、うちの西小山とかそういった商店街では、本当に、御高齢の方が結構買物をされている方が本当に多いので、カードなどを敬遠する向きがあります。
また、デジタルで不明な点も、ややこしい説明を聞くだけで、それが突破できないんだと思うんですね。説明会を開くといっても、分からない話をわざわざ聞きには行かない。これがデジタルディバイドの本質じゃないのかなと思うんですけれども、行政は、全体を一歩前進させるように、分かりやすくしてさしあげる。そして、分かるまで、それこそ伴走型で支援していってほしいというふうに思っています。
そうでなければ、なかなかやらない人は単に取り残されていくようなイメージで、本当に嘆いています。そういったことがしっかりと、SDGsをしっかりと掲げていくということであれば、そうした観点でしっかりと捉えて、デジタル化は進めていかないといけない事情は分かります。ただ、やっぱりそこで取り残されてしまうという、そういった思いの方も本当にたくさんいらっしゃるというのを本当に意識して取り組んでいっていただきたいなと思うので、その点についての見解を伺います。
あと、今日的な社会課題について、さっき保育所と介護サービス事業所のことを話しましたけれども、共通していることは、ふだんから募ってくる日常のストレスを社会的な弱者にぶつける環境になってしまっているんじゃないかということを危惧しているんです。
思うような行動をてきぱきとできないことにいら立ちが噴出して、子どもたちの前、あるいは人の見ていないところで威圧的な態度を取ってしまって、それが相手にダメージを与えていることすら、やっている本人はもう考えていないんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、これらの仕事を担う人のために支えたり、あと自分を取り戻すための場、またサポートしてあげる人、きちんと状況を指摘して改善を目指せる人がこれは必要で、何も手を講じなければ、徐々に病的に侵されていく環境になっているんじゃないかというふうに思っています。
こうした働く側の伴走型の支援として、心のケアをするシステムの必要性について、こうした現場が非常に多く散見されて、本当に多くの社会的な問題ということで、本当にニュースで取り上げられている状況がありますので、こうしたところをしっかりと振り返って、そうしたところをしっかりと問題として抽出をして、なかなか行政として吸い上げるのにも、吸い上げるのもすごくデリケートだし、なかなかこういう問題は浮上しないことなんだと思うんですけれども、でも、そこを浮上させない限り、この問題はなくならないんじゃないかと思うので、そうしたところも本当に踏み込んで対応していっていただきたいなと思うんですけれども、最後にいかがでしょうか。
以上です。

○青木英二区長  まず、商品券のDX化に伴うデジタルディバイドの問題ですけれども、本当に全く御指摘のとおりで、私もどちらかというとデジタルディバイドの部類に入るなという感じがしておりますので、本当にこのまま私なんかも取り残されていってしまうのかなという気持ちは非常に強く感じております。
この商品券のデジタル化というのは、例えば商店街の皆さんにとってみると、換金もスムーズにできますし、それから商品券の管理もしやすい、それから消費者、買手からしてみると、やはり今、アフターコロナで非接触ということですから、そういう点では非常にウィン・ウィンなんです。ですけれども、今、議員御指摘のように、もうデジタルだって聞くと、何かもう体が硬直してしまうという方も決して少なくありません。
私ども、DXビジョンをつくったときの大きなやはり眼目の一つが、デジタルディバイドに対する対応ということが非常に多くなりまして、進めば進むほど、便利になればなるほど、そこからこぼれてしまう方々をどう対応していくかということが、誰一人取り残さないでということになろうかというふうに思います。
私どもは例えば今回、プレミアムをDXでやれば、ああ、そうか、30%プラスになるんだなという思いで、今まで何かデジタルは駄目だけれども、30%つくなら何かやってみようかなという、そういうインセンティブをぜひ持っていただいて、ただ持っていただくだけではなくて、私どもとして説明会、教室等を開いて、せっかく盛り上がった気持ちをつなげていくというような、そういった2段方式で今考えているところです。
やはり1回、2回でおしまいではなくて、やっぱり数回、伴走型というのは非常に大事なことですので、私どもとして、伴走型というところまでいけるかどうか分かりませんが、しっかりとデジタルディバイドの皆さんにどう対応していくかということで、丁寧にやっていくことが極めて重要だというふうに思います。
便利になればなるほど、デジタルディバイドに籠もってしまう方々が増えてくるということをしっかりと私ども受け止めて、これから対策を進めていかなければいけない。それがまず一つの顕在化された取組で、これからいろんなこういったことが、デジタルが進めば進むほど、こういったことが起きてきますので、しっかり丁寧な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、大きな2点目で、これも非常に大きな問題で、今日も八王子市にある病院で看護師の虐待が報道されていました。つまびらかにまだ分からないので、軽々に言えませんけれども、こういった看護師の職場、それから保育者の職場が非常に人手不足になっています。
一方、保育士さんも、それから高齢者施設の職員の人も、本当に対応次第では命に関わるような職種に日々携わっていますから、そのストレスは非常に大きなものがありますので、メンタルヘルスケアをきちんとやっていくということが極めて重要です。これも切れ目なく、やはり伴走型でいつでも相談に乗れるようにということが大事で、例えば私ども保育園では、メンタルヘルスケアの研修を行ったり、保育課が巡回でぐるぐる回りながら、そういった保育士さんのメンタルの御相談に乗っている。また、御要望があれば、臨床心理士の資格を持った、スーパーアドバイザーと言っていますけれども、さらにそういった専門職種が相談に当たらせていただくということも行っております。
それから、介護職場においては、先ほど申し上げた社会福祉事業団がスキルアップの研修を行ったり、よろず何でも相談も受けておりますし、それから区内にある特別養護老人ホームの施設長さんが集まった会議で、こういった状況をどう改善して、職場をどう、よりよいものにしていくかということも、検討等も行っております。
いずれにしても、こういった職種に関わっている方々がきちんと働く環境をよくすることが、そこで生活をされている、そこで保育を受けている、そういった皆さんに必ずプラスになりますので、そういった点でもしっかりとした対応を目黒区として行っていきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。